神秘、それはこの夜ではなくこの夜が必ず明けて朝が来るということだ。それはまるでこの夜そのものの意志、虚無そのものの意志、物質そのものに意志があるかのようである。しかし実際この夜に意志はあるのだ。でなければ明日の朝はやって来ないだろう。永久に世界は闇に包まれたままだ。夜は太陽を求める。無は有を求める。物は認識者生命を求める。その力が神秘でなくて何が神秘なのだろう。明日もたらされる誰も知らない朝をその完全なる闇の静寂、沈黙のうちにこの夜、彼女は今も絶え間なく思考し夢想し創造し続けている。刻々と。刻々と。