2021-05-22 ■ 詩と小説 去年の夏の蝉の抜け殻が残った木の肌 現実に焼き付いてしまった写真 紫陽花は目を覚ます枯れ朽ちた記憶を引き摺り 螺旋を描く羽虫たち 白い空には朦朧と明日の火葬の煙が流れて 崩壊を奏でるオルゴール 息を止めたときにだけ吸うことの出来る空気 沈んだ貝の瞳 深くもっと深く