2020-10-31 秋の池 詩と小説 高い空の雲間から 衰えた陽の光が淡く 藻の深い古池へと降り まどかなる蓮の葉を 宴のあとの皿のように さみしくきらめかせ 微風にそよぐ水面には いにしえの天女たちが やわい裳裾を水脈ひいて 遥かなる遠い笑い声が 水底に微睡む鯉たちを やさしくうつつへと引きよせる