月もなく

星もなく

数えきれない蝙蝠が

さかしまに眠り込んで

ぶら下がっている夜の空

輪廻の悪夢にうなされる

苔に覆われた老木たちの

甘く苦しい湿った嘆息や

足の裏に砕かれる

枯葉の甲高い悲鳴に混じって

草間から響く鈴虫たちの声が

いにしえの朝から流れてくる

清らかな小川のせせらぎのように

裸の若い女が歩いていく

目隠しをされて犬のように

どこまでもどこまでも