2020-11-08 ■ 詩と小説 月もなく 星もなく 数えきれない蝙蝠が さかしまに眠り込んで ぶら下がっている夜の空 輪廻の悪夢にうなされる 苔に覆われた老木たちの 甘く苦しい湿った嘆息や 足の裏に砕かれる 枯葉の甲高い悲鳴に混じって 草間から響く鈴虫たちの声が いにしえの朝から流れてくる 清らかな小川のせせらぎのように 裸の若い女が歩いていく 目隠しをされて犬のように どこまでもどこまでも