2020-10-27 まぼろしの夕焼 詩と小説 灰の花びらを指間から撒いてあてもなくひとり靴も履かずに歩いた風のない野原の終わりは真っ黒な貌の林だった樹冠に色づく葉の群れが赤い火の粉を散らし悪い女たちを焼いていた恨みや苦悶や嘆願や膿んだ空が終わりを吸ってまた更に膿んでいった