2020-10-27 白丁花 詩と小説 明けの藤の空に 仄かと咲く白丁花 冷めた青い葉の座敷に 常夜の浮かれ女たちは 崩れたおしろいをなおし ああ風の波が寄せるごと 甘く苦しい夢の吐息が いまだ微睡む蜜蜂たちの 無垢ないのちを揺り起こす