2021-01-03 鴉 詩と小説 枯れた野に 寂しい鴉が一羽居て 捨て鉢に冷えた土を掘っている 虫を探しているのか それとも違うものを探しているのか わからない ただ乏しい光のなかで 影を喪った俺の影のようなお前が 虚しい土塊を放るたび 膿みきった白い冬の空に 黒い花火が打ち上がる